メニューをひらく

EXHIBITION

30年ぶりの大回顧展、東京・名古屋・大阪で開催

2024/06/10

ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon 1934-2005)は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりです。若いころ絵画世界に惹きつけられたフォロンは、1955年に移住したパリ近郊でひたすらドローイングを描く日々を送ります。やがて、アメリカの『ザ・ニューヨーカー』や『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになります。その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催されるなど目覚ましい活躍をみせました。

色彩豊かで詩情あふれるその作品は一見すると美しく爽やかですが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が隠れていると同時に、孤独や不安の感情が通奏低音のように流れています。

本展はフォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点を紹介する、日本では30年ぶりの大回顧展です。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな転換期にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直します。

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
FOLON: Agency of Imaginary Journeys

2024年7月13日(土)~9月23日(月・振)東京ステーションギャラリー
2025年1月11日(土)~3月23日(日)名古屋市美術館 
2025年4月5日(土)~6月22日(日)あべのハルカス美術館(大阪)

無題
1974
シルクスクリーン
いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画)
1976
水彩

©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025